☆
この記事は一部「SHOPITALIA」様 掲載記事です。
☆
キャンティの本場、トスカーナ地方へ
本場のキャンティワインを求めて、トスカーナ地方を訪れました。
フィレンツェから郊外に車を走らせること1時間、背の高い糸杉の樹に、なだらかな丘陵地帯に広がるワイン畑、緑あざやかな風景が広がります。
トスカーナといえば、イタリア屈指のワインの生産地。中でも特に知名度の高いキャンティワインはキャンティ地区で生産される赤ワインで、現在100ヵ国以上へ輸出され世界中の人々に親しまれています。
キャンティワインに使われるブドウはサンジョベーゼという品種で、若めのワインには酸味があり、新鮮な野いちごやフサスグリなどの赤い果実の香りを感じます。熟成させるとジャムやスミレの花の濃厚で上品な香りへと変化し、さまざまな味わいを楽しむことができます。
キャンティとキャンティ・クラシッコの違いとは?
1716年、メディチ家コジモ3世大公がイタリアで初めてのワイン法DOC(原産地統制名称)を公示しました。キャンティと周辺のワイン産地の境界を定めてワイン作りの規定をつくり当初4地域(キャンティ、カルミニャーノ、ポミーノ、ヴァル・ダルノ・ディ・ソプラ)が認定されました。
19世紀にはキャンティの3種類のぶどうの配合(サンジョベーゼ 70%、カナイオーロ・ネーロ15%、マルヴァジーア15%)が定められ、現在も同じ配合で生産されています。
こうしてキャンティは、気軽に飲めるワインとしてイタリアのみならず国際的に普及していきますが、生産地域が一気に拡大してしまったことで、ビジネス目的で大量生産する業者が増えキャンティの質が低下していきました。
危機感を抱いた伝統的なキャンティの生産者たちは、キャンティの伝統と品質を守るためにキャンティ・クラシッコ協会を設立しました。それまでは4ヶ月だった熟成期間は12ヶ月に引きのばされ、ぶどうの配合もサンジョベーゼの比率を増やした配合へ新たに定められました。
美味しいキャンティの選び方
キャンティワインには、上でご紹介した「キャンティ」「キャンティ・クラシッコ」、そして「グラン・セレツィオーネ」の3種類があります。手頃な価格で気軽に楽しめるキャンティに対し、キャンティ・クラシッコ、グラン・セレツィオーネと熟成期間が長くなるにつれ高品質で価格も高価になります。
中でも2013年に新しく制定されたのが偉大な選抜品を意味する「グラン・セレツィオーネ」。キャンティワインの格付けの頂点に位置するクラス規定で、条件としては自社畑の最高のブドウを使用することや、熟成期間は最低30カ月、うち瓶内熟成3ヶ月以上であることなど、これまで以上に厳しい規定をパスしたワインだけが名乗ることができる注目のワインです。
本場の「キャンティ・クラシコ」とトスカーナの家庭の味
訪れたキャンティ地区のワイナリーで、念願のキャンティとキャンティ・クラシッコを飲み比べてみました。
キャンティがフルーティで酸味のある軽めなワインに対し、長期熟成されたクラシッコは、まろやかなタンニン、酸味と甘味のバランスがとれた深い味わいが特徴です。トスカーナといえばスーパータスカンを思い浮かべる方も多いと思いますが、同じトスカーナのワインでもメルローやカベルネといった国際品種のブドウと配合されたワインと、トスカーナの土着品種であるサンジョベーゼが多くの配合されたキャンティワインとの香りや味わい違いを楽しんでみるのもおすすめです。
さて、ワイナリー訪問のあとはホテルのトラットリアでディナーです。トスカーナの家庭料理であるリッボリータは、豆、野菜、パンを入れて煮込んだ料理で、酸味と程よいタンニンを持つキャンティワインとの相性は抜群です。フィレンツェ風ステーキであるビステッカには、定番のキャンティ・クラシッコを合わせて大満足の食事となりました。
さて、気軽にトスカーナの味を再現するには固くなったパンをスープに入れて、リボッリータに再利用。手頃な価格のキャンティワインと合わせると美味しくておしゃれなトスカーナの食卓を自宅でも楽しむことがでますよ。
AYUMI MARINI
イタリア&ワインのコラムはこちらから🇮🇹
↓ ↓ ↓
▫️住まいと暮らしをデザインするSUMAU「世界のワインめぐり」
▫️イタリアのプレミアムな情報WEBマガジン「SHOP ITALIA」
▫️三越伊勢丹トラベルサロン「mi viaje 」